A Clean,Well-Lighted Place
最近、『清潔な明るい店(A Clean,Well-Lighted Place)』というヘミングウェイの短編の一部分を思い出します。
すごく簡単に説明するとこんな話です。
自殺しそこなった老人が、深夜のカフェで一人ブランデーを飲んでいる。老人がおかわりを頼むと、若い給仕は早く家に帰りたい、という理由でそれを断わり、老人は渋々帰って行く。それを見ていた年上の給仕は「あの老人の気持ちがオレには分かる。オレも、夜には明りが必要な人間の仲間なんだ」と説明する。そして、「すべては無(ナーダ)だ」と悟りながら、スタンドの前に立つ。
私が何度も思い出すのは、この後の、年上の給仕とバーテンダーのやり取りです。
「なんになさいますか?」とバーテンダーがたずねた。
「無(ナーダ)だ」
「また一人気ちがいだ(オトロ・ロコ・マス)」バーテンダーはそう言って、そっぽを向いた。
「小さいコップでな」給仕は言った。
バーテンダーはコーヒーをついだ。
このあと、この年上の給仕は、自分の不眠症に思いを馳せながら、帰っていくところで、話は終わっています。
なぜ20年も前に読んだこの一節だけが、今になって頻繁に思い出されるのか……謎です。
【フラッシュバック度】 ★★★★★
◆本日の名盤……なんとなくテンションが上がらない最近。唯一これは! と興奮したのは、激しいラテンの曲。名曲「フリーク・オフ」収録Orchestra Harlow"El Exigente"(1967)
音源ありました↓
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