深夜1時の「ヘルプ!」
会社の近く、神泉に『ランタン』という店がある。
いつも外まで生演奏の音が聴こえてくるから、大方マニアのオッサン連中が集って演奏を楽しんでいる場所なんだろう、と思っていた。もちろん、そんなところに足を踏み入れるほど心臓は強くない。だから、今後も縁はないと思っていたのだが……。
先日、同僚のジェイたちと飲んでいて、神泉に向かう途中、この店に入ってみようということになった。
店内に入ると、予想通り、中はライブハウスだった。演奏をしているのは、仕事明けのサラリーマンと思しき四人組。曲はビートルズの「イット・ウォント・ビー・ロング」。一聴したところ、コーラス、ベース、リードギターは結構いい感じだ。ドラムはちょっとヨタっていて、リードボーカルも高音が微妙だが、まあそこは酔っ払いだからいいだろう。カラオケみたいなもんだ。
客は、一人で曲に合わせて派手に首を前後に振るオッサンと、若い女性連れのオッサンと四人ほどのサラリーマングループ、おばさん二人連れ、だっただろうか。平日の終電間近にしてはなかなかの盛況ぶりだ。
「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」を経て、「シー・ラヴズ・ユー」でバンドは終わり、SEもビートルズ。つまり、このライブハウスはビートルズマニアの巣窟だったのだ。
客も一人減り、二人減り、結局自分たちだけになって、店員の人と話す。
すると、奥からスケジュールを持ってきてくれた。そこには、
●ハウスバンドの出演する日
●柳田ヒロ(!)バンドの出演する日
●プロのセッションデー
●素人のセッションデー
●素人のセッションデー(ビートルズ解散後の曲中心)
というふうに月間スケジュールが書いてあった。「今日はたまたま素人のセッションデーで、さっきのバンドは全部お客さんですよ」とのこと。つまり、ここはフリーの雀荘みたいなもんで、ビートルズファンが夜な夜な集い、それぞれのパートでセッションをするという濃い店だったのである。
その店員さんがまたいい人で、「最後に、僕らもちょっと楽器を演奏するんですけど、ちょっとやってみてもいいですか?」と頼んだところすんなりオーケーしてくれた。
店員さんはベース、ジェイはギター、私は……ドラムで「ヘルプ!」を演奏する。
原曲のドラムなんて覚えてないから、ヨタヨタのドラムで、タブ譜がないと弾けないと言い張るジェイもヨタヨタで、ベースだけがしっかりとビートを刻み……結果、相当悲惨な音だったと思う。
その一部始終を見ていた K 嬢によると「ジェイさんと●●さんが楽しそうにやっていたのがよかった」という微妙なコメントで慰めてくれた。それもそのはず、結構楽しかったです。はい。ちゃんと演奏してみたいです。
【リバプール度】 ★★★★★
◆本日の名盤……ビートルズはわりと聴いたし、持ってるぞと自負しておりましたが、『プリーズ・プリーズ・ミー』、『ア・ハード・デイズ・ナイト』、『ヘルプ!』、『イエロー・サブマリン』など重要な作品が抜けていて反省しました。こんなんじゃあの店の客には太刀打ちできずに、『ブルースブラザース』みたいに、ビール瓶が飛んできたりするかもしれない。。それにしても、自分の「ヘルプ!」の覚えてなさっぷりと言ったら……恥ずかしいわー。名曲「ヘルプ!」収録のビートルズ 『HELP! - 4人はアイドル 』(1965)
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